丑・寅年の本尊、虚空蔵菩薩様のお話

令和3年は丑年です。
丑年とその次の寅年のご本尊は虚空蔵菩薩様です。

虚空蔵菩薩様といえば「十三仏」の十三番目であり、三十三回忌のの仏さまでよく知られているかと思います。
仏前勤行次第などで十三仏の御真言をお唱えする方は、「ノウボウ アキャシャキャラバヤ オンアリキャ マリボリソワカ」という、一番舌をかみそうな御真言の本尊様として覚えておられるのではないでしょうか。
今回は、その虚空蔵菩薩様についてご紹介をさせて頂きたいと思います。

虚空蔵菩薩様は宝珠(如意宝珠)をもっておられます。
これは、
虚空(無限の宇宙)から恵みを生み出すという意味からです。
無限の宇宙から得られる大いなる智恵や恵みにより、その御利益は「知恵の向上」や(商売繁盛などの)「現世利益」です。

知恵の向上という意味では、お大師様が記憶力を高めるために虚空蔵菩薩様の御真言を百万遍唱える「虚空蔵求聞持(ぐもんじ)法」という修行をなさったということからも、虚空蔵菩薩様には、智恵、特に記憶力を高めるというお力があることが分かります。

また、関西を中心に「十三参り」という風習が残っていますが、十三参りは、数え年十三歳になった子供が虚空蔵菩薩様をご本尊とするお寺にお参りをするという風習で、知恵を授かるという願いが込められています。
(他にも、干支が一回りした節目の厄除けの意味もあるともいわれています。)

ちなみに、「○○蔵」というお名前の仏様は宝珠を持っておられることが多いです。
地蔵菩薩様も宝珠を持っておられますが、これは「大地から恵みを生み出す」という意味です。
よく田んぼの脇にお地蔵様がお祀りされているのは「大地からの恵みを授かり、豊作になりますように」という願いからです。

十三仏の三十三回忌のご本尊、十三参りなど、3にご縁が深いイメージがある虚空蔵菩薩さまですが、令和3年という3の年、特別な御利益を頂ける年となることをお祈りしています。