菩提心44号 ー仏様の智恵に習おうー

第44号特集.-仏様の智恵に習おう- (R7.12.1)

○はじめに

来年の干支は丙午(ひのえうま)、午年の本尊様は勢至菩薩様です。
勢至菩薩様がお堂の中心の本尊様としてお祀りされていることはほとんどありませんので、ご存じない方も多いと思われます。
しかし、阿弥陀如来様がお祀りされているお寺には、観音様と一緒に阿弥陀如来様の両脇を固める「弥陀三尊形式」という形でお祀りされていることが多いので、知らないうちに勢至菩薩様をお参りしていることがあるかもしれません。
勢至菩薩様は智恵を司る仏様ですので、今回は、智恵についてお話しをしていきたいと思います。

○仏様の智恵

仏様の智恵にには四つの種類があります。

一、大きな鏡のように、物事を隅々まで見渡せる智恵「大円鏡智(だいえんきょうち)」
二、ものを私情や偏見をはさまずに本質は平等だと観じる智恵「平等性智(びょうどうしょうち)」
三、一つのものを深く深く理解する智恵「妙観察智(みょうかんさつち)」
四、物事を知るだけではなく、どうすればうまくいくかを考える智恵「成所作智(じょうそさち)」

そして、四つの智恵を全て兼ね備えた完成された智恵のことを「法界体性智(ほうかいたいしょうち)」と呼びます。

○仏様に習おう

私たちも仏様の四つの智恵に習って、ものの考え方を見直してみると、

一、大円鏡智に習い、「木を見て森を見ず」にならないよう、大きな視野で物事をみる
二、平等性智に習い、人の噂などに左右されず、偏見を持たずに物事を判断する。
三、妙観察智に習い、早とちりをせず、相手の真意や物事の本質を汲み取る
四、成所作智に習い、できない理由を分析するだけでなく、どうすれができるかを考えて実行していく

という考え方の見直しにつながります。
このように自分の考え方や行動を四つの分野に分けて分析すると、自分にとっての得意分野や不得意な分野が明らかになり、どの考え方が苦手なのかが分かれば、どこを育てていけば良いかが分かります。
また、どうしても苦手な分野があったとしても、「三人よれば文殊の知恵」という言葉があるように、得意分野を持つものが集まってお互いをフォローし合っていけば、全てをカバーした法界体性智を持つことだってできます。

○おわりに

現代社会は情報に溢れている社会で、真偽のはっきりしない情報や本物とは見分けの付かないフェイク画像が溢れています。
このような時代だからこそ、視野が広く公平で正確な判断とともに、今は誰もが簡単に世界に情報を発信できるということを自覚し、「正しいことを行う」だけでなく、「正しいかどうか分からないものを広めない」という責任ある行動が望まれます。
仏様の智恵に習い、善い生き方を心がけたいものです。

(以上)

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