ある名誉住職の御遷化

今日は、近くのお寺の名誉住職さんの葬儀に行ってきました。
寂年は、なんと「数え歳」の103歳。満年齢でも101歳です。

真言宗で、お葬式の際、お導師さんが亡くなった方に行う作法を引導作法と言いますが、これは亡くなった方に仏教の戒律ならびに戒名を授け、自分の弟子という形で仏さまの弟子にして悟りを開かせ、成仏に導くという作法です。
ですから、すでに出家得度している僧侶の葬儀、特に自分より僧侶歴(法臈)の長い僧侶に対しては、引導作法は必要ないとも言われています。(色々な解釈がありますが、引導作法を行わない場合は、在家の葬儀とは違うスタイルの法要が営まれます。)

今日の葬儀で弔辞を聞いていると、住職歴だけで約半世紀、名誉住職になられてからも20年近くになるとのこと。これに出家得度してから住職に就任するまでの期間を加えると、いったい何年間、僧侶としての人生を送ってこられたのでしょう・・・。
そしてその間、どれだけたくさんの檀徒さんを導いて来られたのでしょう・・・。

お経を唱えながら、「なるほど、こういう方には今更引導など必要無いのだろうな。」などと思いなつつ、名誉住職さんの増進仏位をお祈りしてきました。