雑感20190402-改元

昨日、新元号が発表されました。

「令和」表記は「Reiwa」

英語圏の方々から「Rなのになぜ巻き舌で発音しないのだろう」と、ツッコミが入りそうなところは気になりますが、個人的には、めい「じ」、しょう「わ」、など、一字の読みで終わるものが好きなので、れい「わ」の響きは良いと思っています。

令という字、好き嫌いが分かれているようですが、私的にはアリです。

私は、仏教にまつわる好きな言葉を挙げろと言われたとき、いつも二つの言葉を挙げさせて頂いています。

一つはblogのタイトルにもなっている「法爾自然」
そして、もう一つが「令法久住」という言葉です。

真言宗の僧侶で、よく修法をされている方は「令」と言われるとすぐに思いついたのではないかと思いますが、数多くの御次第の中に「令法久住(りょうぼうくじゅう) 利益人天(りやくにんでん)」という言葉が出てきます。(ここでの読み方は「りょう」ですね。)

令法久住は「法をして久しく住せしめん」と読み下し、「未来永遠にわたって素晴らしい法を伝えていく」というような意味です。

法爾自然・・・ゆるぎのない「あるがまま」を解し
令法久住・・・よき教えがこれから先もずっと伝わっていくことを願う。
これが私の僧侶としての理想です。

令和の世が、素晴らしき法が幾久しく伝わっていくような世になっていくことを心より祈っています。

ちなみに、もう一つ「令」の字が身近に感じられる理由があります。
それは、師僧の僧名の一字に使われているからです。
決して「悪く言えない理由」ではありません、念のため(^^;

(以下、4/18追記)

「令」という字は、元号の中で初めて使われた文字ということで、「命令を思い出し厳しいイメージを受ける」という方や、「ご令嬢などのよいイメージを受ける、」という方など、字に関するイメージが色々話題となり盛り上がっているようです。

たくさんある意味合いの中からどの意味合いに心引かれるかは人それぞれ。その文字にどの様なイメージを受けるかということは、実は受け取る側の「個性」がどれかを選んでいるということです。

例えば「薬」という言葉で何を想像するかと尋ねた場合、最近の時事に興味のある方は「違法薬物」を思い浮かべるかもしれません。
また、痔に悩んでいる方は真っ先に「座薬」を思い浮かべるかもしれません。
そして、お坊さんなら「薬師如来様」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

このように、お答え一つからでも、その方の興味や考え方、場合によっては信条を知るヒントが隠されている場合もあり、人の心と向き合う僧侶として大変興味深いです。