雑感20200324 疫病と信仰

現在、疫病よけとして、妖怪の「アマビエ」が注目を浴びていますが、江戸時代にも「拡散希望」のような考え方があったのだと思うと、「いつの時代も同じなのだな」と面白く感じます。

とても興味深いですが、僧侶としては一緒に妖怪の画を書こうというより、「こういうとき何を拝めば良いか」と考えてしまいますので、御利益があると言われている経典や仏さまをいくつか挙げてみます。

般若心経秘鍵大師
御大師様は弘仁九年、「般若心経」を浄書されることにより疫病の退散を祈られました。
また、般若心経の真理を明かすお姿として秘鍵大師像は疫病除けのご本尊としての信仰があります。
大覚寺さんの秘鍵大師様が有名です。

薬師如来様
説明の必要も無いくらい、病気平癒には欠かせない仏さまです。

観音様
こちらも衆生済度の菩薩様としてあまりにも有名です。
観音経には「衆生被困厄 無量苦逼身 観音妙智力 能救世間苦」と観音様の功徳が説かれています。

孔雀明王様
孔雀明王を本尊とした孔雀経法は鎮護国家の大法として重要視されています。
孔雀は害虫や毒蛇を食べることから「災厄や苦痛を取り除く功徳」があるといわれています。
当山の本山仁和寺でも重要文化財の孔雀明王様が大切にされています。

他にも、国家の安泰という意味では、護国三部経法華経仁王経金光明経)もあります。

大随求菩薩(だいずいぐぼさつ)様
求めに随い願いを叶えるとされる仏さまです。
この菩薩様の御真言を紙に書いて持ち歩いたのが「御守」の起源だと言われています。
そのため、御真言や随求法は使われることが多いのですが、本尊様としてお祀りされているところはあまり多くありません。
実は、当山には(おそらく江戸時代ごろのものと言われている)その珍しい大随求菩薩さまの像があります。
現在、傷みがあり修復まで手が回らないため、まだお見せ出来る状態ではないのですが、いつか修復がかなったらご開帳して皆様に拝んで頂きたいと思っております。

ここに挙げたのは一例です。
他にも弁天様や鬼子母神、ご紹介し続けるとまだまだきりがありませんが、それが曼荼羅の世界観を持つ真言密教の良いところ。
それぞれの人が様々な形でご思いを届けることの大切さを感じる昨今です。