四種曼荼各不離

この度当山では薬師十二神将の梵字の御守り(シール)および、それを貼り付けて薬師マンダラにする台紙の授与を開始しました。

十二神将 金箔干支守(えとまもり)・薬師マンダラ台紙

今回はこれを機に、曼荼羅の種類について触れてみたいと思います。

曼荼羅には、仏さまの描かれ方により四つの種類があります。

大曼荼羅

仏さまのお姿を描いた曼荼羅。
こちらが最も一般的な曼荼羅です。

三昧耶曼荼羅

お姿そのものではなく、その仏さまを表す象徴となるもので描かれた曼荼羅。
例えば、利剣は不動明王を表すシンボルなので、お不動様を剣で表したりします。
あまり数は見られません。(手持ちもありません。)

法曼荼羅

仏さまを表す種字(梵字)で描かれた曼荼羅。
大曼荼羅の次に多く見られる曼荼羅です。

今回授与する薬師マンダラ色紙も、薬師如来、日光菩薩、月光菩薩、十二神将を梵字で表しているのでこちらに当たります。

羯磨曼荼羅

羯磨=カルマ=業(行い)ということで、仏さまの所作や行為を表している曼荼羅。
拡大解釈をすれば、この宇宙や私たちが活動する社会も羯磨曼荼羅ということができますが、
一般には東寺の講堂のように、尊像が配置された立体曼荼羅を指すことが多いです。

この四つの曼荼羅について、お大師様の『即身成仏義』の中には「四種曼荼各不離(四種曼荼、各々離れず)」と言う言葉があります。

これは、四つの曼荼羅を三密に当てはめて説明したものです。

三密とは、身密(からだ)口密(ことば)意密(こころ)のこと。

大曼荼羅はお姿を表したものなので「身密」

法曼荼羅は梵字(言語)で表されたものなので「口密」

三昧耶曼荼羅は象徴(イメージ)で表されたものなので「意密」

そして羯磨曼荼羅が表すのは「三密の行い全体」です。

三密はそれぞれ切っても切り離せない関係なので、三密を表す四つの曼荼羅も切り離すことのできない関係であるということです。

以上、四つの曼荼羅の紹介でした。
皆さんが曼荼羅に出会う機会があれば、その曼荼羅が何曼荼羅なのかを知る参考になれば幸いです。