雑感20200110ーキャリア教育

以前、県の教育に関わるお役を頂いていた時に書かせて頂いた物の一つに以下のような物があります。

今から8年前の自分は何を偉そうな物言いをしていたんだろうと恥ずかしくなりますが、伝えたい内容は今もほとんど変わっていません。
法話や、講演(あまり数はないですが)などで、キャリア教育に関する話になると必ず触れる部分です。

× 人は一人では生きていない
○ 人は一人では生きていない

「徳島新聞」の連載時にも触れましたが、もし世の中に自分一人しかいなければ、職業と呼ばれるものは、農業であろうが漁業であろうが本来なら自分一人でやらなければいけないことです。
職業だけでなく、家事も育児もその他の衣食住に関することも、何もかも自分がやらなければいけないこと。
職業に就いている人だけを自立していると呼ぶ人もいますが、それだけが特別扱いではありません。
本来やらなければいけない全てのことのうちから一つ(またはいくつか)を職業として選んで懸命にやることにより、残りをやらなくてもいいという幸せな世の中に生かされているというだけのことです。

私のような僧侶が生きることや死ぬことについて心ゆくまで考えていてもご飯が食べられるのは、他の皆様が様々な場所で本来私のやらなければいけないことをしてくれているおかげです。

「生きるための全てをやっていない」者同士がお互いを格付けし合ったところで、所詮だれも不完全同士。

私のような「専業坊主」だけでなく、
「専業金融」や「専業製造」その他様々な業種、
また、職種においても「専業営業」や「専業人事」など、
色々な「専業○○」で生きていける世の中に感謝

「お互いが補い合って生きているからこその自立」に気づき、自分のやれることを精一杯やっていきたいものです。